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事業承継での納税猶予を徹底解説!デメリットはある?

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相続によって事業承継を行う場合、相続税の支払いに頭を抱える人は少なくありません。相続税は、通常は期限までに納付をすることが必要です。ただ、相続人に資力がないときには、納税猶予の制度を利用して納付の時期を遅らせることもできます。

今回は、事業承継で納税猶予を選択したときのメリットやデメリットを紹介します。

事業承継は経営を後継者が引き継ぐこと

事業承継は、会社や店舗などの事業の経営を後継者が引き継ぎ、経営を継続していくことです。事業承継には、子供などの家族や親族が経営を引き継ぐ親族内承継と、親族以外の第三者が新たに後継者になる親族外承継があります。

事業を引き継ぐ場合、かつては親族内承継が多い傾向がありましたが、徐々に親族外承継が増えてきているのが現状です。

親族内承継は、相続にともなって発生するケースが少なくありません。このような場合、相続税を納付しないと事業を引き継ぐことは不可能です。 実際、相続税が払えずに事業の承継を諦める人はたくさんいます。

こういった状況を解決するために設けられているのが、事業承継税制です。事業承継税制は、非上場株式等に係る相続税、贈与税が一定の条件に該当した場合に、猶予または免除される制度です。平成30年の改定で、この制度にはこれまでの一般措置に加えて特例措置が新たに加わりました。

特例措置は、「全株式が対象」や「納税猶予割合が100%」などが特徴で、一般措置よりも事業承継をスムーズにできるような内容になっています。また、平成31年からは個人版の事業承継税制が登場し、土地や建物、減価償却資産などの相続でも猶予制度が利用できるようになりました。

納税猶予を受けるとメリットがある?

事業承継税制の納税猶予の制度を利用する場合、「どんなメリットがあるか」が気になるところでしょう。

平成30年に新たに設けられた特例措置の納税猶予を受けるときには、都道府県知事に「5年以内の特例承継計画」の提出が必要です。相続の場合は「円滑化法の認定」を受け、相続税の申告書を税務署に提出します。このときには、納税猶予を受ける金額と同程度の担保を提供することが必要です。

承継計画書の提出などが不要だった一般措置に比べて、特例措置は最初の手続きが少し煩雑になっています。この制度を利用する際には、具体的なメリットをしっかりとチェックしておきたいところです。

納税猶予のメリット「相続税の節税効果がある」

事業承継税制の納税猶予を受けるメリットは、「相続税を大幅に節税できる可能性がある」ことです。この制度を利用した場合、状況によっては税金の全額、または一部を免除してもらうことが可能になっています。

例えば、承継した後に万が一事業を続けるのが困難になったときには、猶予を受けていた相続税を一部免除してもらうことができます。「事業を引き継いだが、継続が難しい」場合、未納付の相続税が残っていると経済的に大きな負担になりかねません。このような税金が免除されるシステムがあれば、相続税を大幅に節税できる可能性がでてくるでしょう。

また、後継者が死亡した場合なども相続税が免除されます。 個人版承継税制では、「認定相続人がその死亡の時まで、特定事業用資産を保有し、事業を継続した場合」などに全額免除が適用されます。条件に該当すれば、以後も猶予を受けられるのがこの制度のメリットです。

納税猶予が認められた場合、一度に高額な税金を納付せずに済みます。猶予を受けている金額についてはすぐに支払わなくてもよいため、事業を引き継いだときの税金を、節税できるのも1つのメリットです。事業承継税制の納税猶予を利用していない場合、相続開始から10カ月以内に税金の額を申告して納付をしなければなりません。納税猶予を受ければ、ゆっくりと税金を支払えます。

納税猶予のデメリットは?

事業承継税制の納税猶予はメリットがある一方、デメリットもあります。この制度を利用する場合、どのような措置が適用されるかはケースバイケースです。代表的なメリットだけに惹かれて利用してしまうと、思わぬデメリットを被ってしまうこともあるため要注意です。利用を考えているときには、以下で取り上げるデメリットも忘れずにチェックしておきましょう。

納税猶予のデメリット1「猶予を受けても相続税は免除されない」

納税猶予の条件に該当しているときは、一時的に相続税の納付が猶予されます。相続人が相続税を払えない場合、税務署では納付を進めるためにさまざまな指導をしてくることがあります。納税猶予制度を利用していれば、こういった指導を受けずに済むでしょう。

ただ、この納税猶予制度を利用した場合でも、納税の義務が完全に消滅したわけではありません。資力が回復次第、納付をするのが本来の相続税のルールである点は、意識しておく必要があるでしょう。

納税猶予を受けていると、税金の納付についてつい軽く考えてしまうことがあるかもしれません。 「猶予を受けている相続税はもう支払わなくてもよい」と高を括っていると、状況が変わったときに慌てることにもなりかねないため注意をしましょう。

納税猶予のデメリット2「猶予は取り消しになることもある」

条件に該当しなくなった場合、途中で猶予が取り消しになることがある点は、この制度を利用するときに必ず押さえておきたいデメリットです。

例えば、事業を引き継いだ後継者が猶予の対象になっている非上場株式を譲渡してしまった場合や、承継から5年以内の間に後継者が会社の代表者でなくなった場合などは、納税猶予が取り消されます。また、会社を解散したり、減資をしたりしたときも、納税猶予制度を利用し続けることはできません。

ちなみに、この制度を利用している間は、税務署に定期的に継続届出書を提出する必要があります。 こういった継続届出書を提出していない場合も、納税猶予は途中で打ち切られてしまいます。うっかり書類を提出するのを忘れていると、ほどなくして猶予期間が終了してしまうため要注意です。

納税猶予が取り消しになったときには、それまで猶予を受けていた相続税を支払わなければなりません。税金の金額が高額な場合は、事業資金などを取り崩さなければならないケースもあるでしょう。事業を引き継いだ後の経営をスムーズにするうえでも、納税猶予の思わぬ取り消しは大きな痛手になりかねません。

デメリットを被らないためにも、猶予が取り消される場合の条件などは事前によく調べておきたいところです。

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