事業承継って?費用の問題はどうクリアするのがいいの?

事業承継というのは、会社の経営を後継者に引き継ぐことです。大企業のように候補が多い場合とは違い、中小企業の場合は後継者を誰にするのかが大きな課題となります。初めて事業承継を行う場合、手順や費用はどれぐらいかかるのかなど知らないことも多いのではないでしょうか。

そこで今回はその疑問を徹底解説していきますので、是非参考にしてみてください。

事業承継って?その向き合い方は?

中小企業の経営者にとって事業承継は切っても切り離すことができない問題の一つです。大企業のように経営者候補がたくさんいることもなく、経営者以外に権力を持っている人物が少ない中小企業では、この後継者を決めることが簡単ではありません。しかも事業承継というのは、事業を後継者に引き継ぐことですから、自分の今まで築き上げてきたものを譲渡する形になるわけです。

信頼できる人物に事業承継したいと願う経営者は少なくありません。 事業継承の場合、事業で得た資産だけではなく、今までの会社の取引先や負債先などの関係性も引き継ぐことになります。築き上げてきた信用も引き継ぐことになりますので、後継者選びにはかなり慎重にならなくてはいけません。一代で会社を起業した人であれば、その意志を引き継いでくれる人物に引き継いでほしいものです。

自分のその気持ちを受け継いでくれる人物がいれば迷うことはありませんが、そのように該当する人物がいない場合は後継者選びでかなりの時間を要することになるでしょう。いつまでも自分が経営者としていられればそれが一番ですが、そうもいきません。いつかは訪れるその日までにしっかり向き合うことが大切です。

事業承継をする際の費用面のメリットとは

事業承継をする方法には大きく4つあると言われています。M&Aや親族内への承継、自社株式売買による事業承継や信託による事業承継があります。これらの中からどの方法を選択するかでメリットは異なります。

例えば、M&Aを利用する場合のメリットは、複雑な手続きが必要なく、株主を入れ替えるというだけなので債権者や従業員の同意が必要ありません。そして経営者は譲渡した株式の対価によって現金を入手することができます。

親族内への承継の場合は、生前贈与する形が多いようです。生前贈与の最大のメリットは、相続に関するトラブルを未然に防ぐことです。また、後継者に対し株式や事業用の資産を売買する必要がありませんので、後継者に資産がない場合であっても問題なく引き継ぐことができるのです。親族から後継者が出るということで従業員も受け入れやすいといったメリットもあるでしょう。

自社株式売買の場合も現経営者が生前に行うことが可能なので、相続問題が発生しにくいという特徴があります。決定した後に覆されるといったリスクも少ないので安心して行うことができるのです。

それから、信託による事業承継の場合ですが、このメリットは経営者が望む事業承継を実現しやすいことでしょう。信託を利用することでスムーズに決着することができます。後継者の次の後継者までを事前に指定することができる上に、現経営者の意見を反映してもらいやすい方法となっています。費用面で言えば、プラスになる可能性が高いのがM&Aでの事業承継と言えます。

相続税対策や資金繰りで注意したいこと

2018年に行われた税制改正によって事業承継税制の特例が利用することができます。

この特例というのは、後継者が非上場株式を現経営者から得て、その会社の経営を引き継ぐ場合に、承継する非上場株式の相続税や贈与税の納税を100%猶予されます。特例を利用することで、事業承継時の贈与税や相続税の負担を0円にすることが可能なのです。ただし、この制度は納税が免除されるわけではありません。あくまでも猶予されるだけですので注意してください。

また、事業継続要件を満たさなくなってしまった時には納税猶予はなくなり、一括納付しなければいけないデメリットもあるのです。 その要件というのが、自社株式承継後にそれを譲渡しないことが一番の要件となります。譲渡された後すぐに他に渡してしまう場合は、事業承継税制の特例を利用することはできません。また、後継者が承継後も代表権を持ち続けることも引っかかってしまいますので注意してください。

それから、資産管理会社に該当しない場合も猶予なく一括納付になります。

税金対策を考える上で重要になってくるのが、事業承継税制を適用する方が得かという点です。どうすれば良いか迷った時はプロに相談するようにしてください。

事業承継の専門家って?誰に相談すればいいの?

事業承継は会社の未来がかかっていることですので慎重に取り扱わなくてはいけないことです。しかし、いざ事業承継をしようとしてもどうすればいいか迷ってしまうことも出てくるでしょう。

そこで活躍してくれるのが事業承継を扱っている専門家です。専門家として相談できる相手に銀行や証券会社があります。銀行では融資対策の際に頼りになりますし、取引銀行であればすでに会社のことをよく理解してくれていますので話がスムーズというメリットがあります。証券会社の場合も顧客の資産を守ってくれる為に動いてもらうことができます。

事業承継の税金対策を相談したい場合は、税理士にお願いしましょう。節税対策の提案をしてもらうことができますし、自社株の移転時の税金についてもアドバイスしてもらうことができます。弁護士や司法書士には、係争対策などの法的な面からのアドバイスを貰うことができるでしょう。

このように内容によって相談する先が異なってきますので、問題を明確化しておくことが大切です。

また、M&Aを考えている場合はM&A仲介会社も利用してみてください。

弁護士に相談してみよう!

事業承継について弁護士に相談するメリットについて考えてみましょう。上記でも触れましたが、弁護士に依頼するメリットの一つが法的な面からのアドバイスを貰えることです。

弁護士は依頼を受けた段階から、他の相談先とは異なる視点で会社の現状を把握してくれます。その中に自社株式の評価というものがあるのですが、この自社株式の評価が思っている以上に高いことがあるのです。そのような気付かない点を気付かせてくれるのが弁護士に依頼するメリットと言えます。

弁護士は株価の把握だけではなく、納税額を計算してくれます。その金額が出てから事業承継を進める方法の提示や後継者の相続性納税資金の確保など分かりやすく教えてくれるでしょう。

後継者が見つけられない場合、M&Aを考えることになりますが、その際にも弁護士は法的なサポートをしてくれる大切な存在となってくれるのです。どこに相談すればいいのか迷った時は弁護士を頼ってみましょう。

事業承継が強い税理士もいる

事業承継では贈与税や相続税など様々な税金の問題が発生しますので、税理士が活躍してくれる分野でもあります。すでに顧問税理士がいるケースもあるでしょうが、事業承継に詳しくないこともありますので、その時は外部の専門税理士を探しましょう。

事業承継で困った時は専門家に相談

経営者にとって事業承継は、いつかは通る道です。いずれ訪れる日までにしっかり準備をしておくことが大切。事業承継では法的な知識や税金に関しての知識など幅広い知識が必要となってきますので、それぞれの専門家に相談しましょう。

法的なことであれば弁護士、税金対策であれば税理士に相談してみてください。

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