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段階的な事業承継に重要な役割がある?黄金株を効果的に活用する方法とは!

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事業承継を考える会社経営者にとって株式の異動は大きな問題であり、その中でも黄金株は重要な意味を持つ株式といわれています。黄金株は種類株式のひとつであり、株式を財産権ととらえるか、また支配権ととらえるかということにも大きな関わりを持っています。事業承継がスムーズに行われるためにも、黄金株の特徴や活用方法を知ることが重用だといえるでしょう。

黄金株って高価なの?黄金株について理解しよう

黄金株は一見高価な株式のように思えますが、その価値は普通株式と変りはありません。一般的な普通株式は、株主平等という原則から株主の権利などを限定していません。しかし種類株式と呼ばれる株式には、株主の権利に関して会社が義務付けた特別な条件が付加されています。

黄金株は種類株式の一種であり、正式には「拒否権付種類株式」と呼ばれています。つまり黄金株とは、株主総会において拒否権を有しているという特徴を持った株式なのです。一株でも所有していれば、株主総会の決議を拒否できるのです。

どれだけ多くの普通株式を所有していても、一株の黄金株には敵わないということで、実質的には普通株式よりも力があるという印象があります。その強さのため、上場している会社で黄金株を発行している会社はごく少数となっています。

上場している会社はある程度株主の意向を尊重することが求められているので、株式総会での決議を拒否できる黄金株はある意味敬遠されるものといえるからです。また黄金株を発行する際は、定款で種類株式を発行することを定める必要があり、そして詳細な手続が必要とされています。黄金株の役割として、事業承継と買収防衛策という2つの役割があるといわれています。

黄金株のメリットとは?事業承継に役立つ使い方とは!

黄金株のメリットとして、先ずその拒否権の強さが挙げられます。黄金株の株主にとって望まない決議が可決されることを防げることは、最大のメリットといえるでしょう。

譲渡制限がかかっていない株式は、売買されやすい傾向にあります。ある株主が他の株主の株式を買い集めて一定以上の株式を所有した場合、経営権に影響を及ぼす可能性があります。もしかしたら経営権を奪われるかもしれません。しかし経営者が黄金株を所有していれば、株式の数の多さに関係なく経営権を守ることができます。

また経営者が後継者に事業承継する場合にも、黄金株は力を発揮します。例えば経営者に複数の事業承継者がいたとします。経営者の株式を、それぞれの承継者に分配することになります。経営者が決めた後継者が事業を承継しても、他の承継者が経営に口出ししたり、また対立関係になる危惧が出てきます。

このような場合には後継者に黄金株を渡すことで、後継者が経営に専念することができます。他の継承者には配当を優先する株式を渡すことで、トラブルを回避することも可能になります。このように黄金株は、円満な事業承継を行うために役立つものといえるのです。

黄金株のデメリットとは?強力な拒否権が裏目に!

強力な拒否権を持つ黄金株ですが、最大のデメリットとして意図しない相手・不都合な相手に黄金株が譲渡されてしまうことが挙げられます。

黄金株の役割の一つである買収防衛策において、仮に敵対的買収をしかけてくる相手に黄金株が譲渡されたとします。経営権を渡すことになる可能性があると同時に、後継者への事業承継がスムーズに進まないという事態も発生してしまいます。

また経営者が構築した会社の経営体制も維持できなくなること、そして長年会社を支えてきてくれた他の多くの株主の利益にも影響がありトラブルに発展する危惧も生じます。

次のデメリットとして挙げられるのは、黄金株の乱用です。

株主総会において多くの株主が賛成した議決でも、黄金株を所有する経営者の拒否権で覆ってしまいます。正しい判断で経営を向上させるための議案でも、経営者が誤った判断で黄金株の拒否権を行使しては、会社にとってマイナスとなってしまいます。会社の事業成績の悪化や経営者自身のイメージダウン、そして事業承継にも悪影響を与えかねません。

黄金株の乱用は避けるべきであり、拒否権の行使は万が一のためとすることが良いでしょう。このように黄金株のデメリットによるダメージは、かなり深刻なものとなります。

黄金株で事業承継を段階的かつスムーズに!

会社の事業承継とは、経営者が株式を後継者に取得させることで経営権を譲渡することをいいます。しかしいきなり会社の経営権のすべてを後継者に渡してしまうことに、不安を感じている経営者が多いのが現状です。

経験値が乏しい後継者には、会社経営のノウハウや知識が不足していることは否めません。会社経営を誤った方向に向かわせる可能性もあり、またその場合でも適切に軌道修正することも難しいでしょう。

経営者が株式をすべて後継者に取得させていた場合には、経営者にもう権限はありません。また経営者がいくつかの株式を所有していた場合でも、後継者が所有している株式の方がより多ければ、経営者は後継者の決定を覆すことは不可能になります。

そのような場合に役立つのが、黄金株です。殆どの株式を後継者に渡していても、経営者が黄金株を所有していれば、後継者の誤った判断や会社に不利益な決定を踏みとどまらせることができます。

しかし注意点もあります。経営者が経営に口を挟むということが頻繁にあると、後継者が育たないという悪影響がでてきます。加えて経営トップが代わっていないという印象を与えるということにもつながりかねません。経営者が黄金株による拒否権を行使する際には、慎重さが求められるといえます。

黄金株は使い方次第で強い味方になる!

拒否権付種類株式である黄金権は、強力な権限を持っています。

円満な事業承継を行いたいが、株式の保有率が少ないため難しい場合もあります。また株式の保有率を上げるために株式を買い取りたいが、株価が高過ぎて難しいという場合もあるでしょう。そういう時にも黄金株は、一株でも強大な権限を発揮することができます。そして敵対的買収をしかけてくる相手に対しての防衛策としても、黄金株は有効な手段と考えられます。

しかし同時にその強力な拒否権が、会社経営に悪影響を及ぼすリスクも潜ませています。黄金株は、株主の意向を尊重する傾向にある上場会社よりも、上場を想定していない中小の会社の方が活用しやすいともいわれています。黄金株の発行に際しては慎重に行うことが求められており、そして専門家の意見を取り入れることも必要といえるでしょう。

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