目次 [非表示]
事業承継を考える際、悩みとされやすいことの1つが後継者不足です。しっかり事業を引き継ぐことのできる後継者の確保は事業承継において不可欠ですが、実際のところ、後継者がいないことに苦慮している経営者は少なくありません。
そこでこの記事では、後継者不足の現状や後継者募集の方法、便利な情報サイトなどについて解説します。
事業承継における「後継者不足」という悩み
事業承継を考える多くの経営者の頭を悩ませる問題が、後継者不足です。
後継者不足にはさまざまな理由があります。例えば後継者とする子どもがいないという場合があります。全国的に少子化が進んでいる昨今、子どもをもたない家族は少なくありません。そのため、子どもがおらず、事業の承継の後継者の確保に悩む経営者も増えているのです。
また、子どもがいても、後継者として事業承継がスムーズに進むとは限りません。子どもに事業を引き継ぐ意思がないため、後継者にすることができない場合もあります。また、経営者である親自体に、子どもを後継者とする意思がない場合もあります。
昔は家業は子どもが継ぐものという意識が根強く浸透し、子どもの意思とは関係なく後継者にされることも珍しくはありませんでした。しかし、現在は親は親、子どもは子どもと、それぞれの生き方や価値観を認め、尊重する考え方が広まり、親が自分の事業の後継を子どもに強制することは少なくなっています。
また、子どもが後継者にならない場合は、子ども以外の後継者を見つける必要がありますが、これも容易なことではありません。誰かを後継者にして、すぐに事業に関することを引き継げば、事業承継が完了し、会社が健全に動き出すというものでもないのです。
後継者の育成には通常何年もの年月が必要です。事業の内容や現場の業務、経営に関するノウハウなど、経営者として必要な知識や考え方などを身に付けるのは一朝一夕では不可能です。
しかし事業承継の必要に迫られないと、後継者の育成になかなか目が向かないことも事実であり、実際、事業承継を行わなければならないタイミングで後継者の育成が間に合わず、結果廃業になってしまうというケースもあります。
なお、地方によっては、人口の減少が進み、地域に後継者となれるような年代層の人がいない場合もあります。このような状況は地域の経済の衰退をまねくため、自治体としても課題としているところです。このようなさまざまな要因によって、後継者不足は各地で深刻化しています。
良い後継者を見つけるためには
事業を継続し、より発展させていくためには、良い後継者を見つける必要があります。最も近い親族である自分の子どもに事業を承継しない場合、事業を継続するためには、ほかの人物を後継者に据えなければなりません。
それでは、後継者を募集するには具体的にどのような方法があるのか、具体的に確認していきましょう。
事業承継後継者募集の方法とは
事業承継後継者の募集の方法はさまざまです。
例えば、自分の子どもに事業を引き継ぐことが不可能な場合、ほかの親族や従業員から後継者を募集し、事業承継を行う方法があります。自分とつながりのある親族が後継者であれば、話を進めやすいため、事業承継が短期間ですんなりまとめられる可能性が高いでしょう。
また、従業員が後継者になれば、実際の業務に関して知識や経験があることから、事業に関する引継ぎがスムーズに進められること、現状や実態にそぐった経営をしていけることなどを期待できます。
ただし、親族間での事業承継は、相続税や贈与税など資産の引き継ぎにともない発生する税金が大きな負担になったり、資金のやり取りに問題が発生する可能性があります。また、従業員を後継者とした場合、現場で働くスタッフとしては優秀でも、企業を実際に動かす経営者には向かない人物である可能性もあります。
経営者としての適性に問題があると、それまでの取引先などからの信頼を得ることができず、会社の業績に大きな影響を与える恐れもあります。
事業引き継ぎ支援センターを活用するのも後継者募集の1つの方法です。事業引き継ぎ支援センターは、中小企業や小規模事業者が第三者へ事業を承継するためのサポートをするため、各都道府県に設置されている公的機関です。公的機関ならではの安心感があり、気軽に相談することができる点がメリットだと言えるでしょう。
ただし、業界の知名度がまだそれほど高くなく、センターによって対応件数やマッチング件数の実績が豊富でない場合もあります。より深い知識や経験でもってサポートして欲しいと考える方は、少し物足りないと感じるかもしれません。
なお、全くこれまで繋がりのない、外部から後継者を募集する方法もあります。継承したい事業に関し、知識や経験のある人物を後継者にすることができるため、事業の課題を改善したり、より大きく発展していくことや新たな事業展開を期待できます。
ただし、経営者と後継者の間で、事業に対する認識の共有が十分なされないまま事業を承継すると、後継者が実際に経営を始めたとき、それまでの経営者が培ってきた企業の社風や方針が、大きく変わる可能性もあります。その結果、社内の混乱を招き、従業員離れなどが発生する場合もあります。
M&Aマーケットなら納得のいく事業承継が可能
事業承継をスムーズに行うため、後継者を見つけ、事業を売買するという方法もあります。そこで便利なのが「M&Aマーケット」です。
「M&Aマーケット」は、日本最大級の規模を誇る会社売買情報サイトです。M&A仲介会社やM&Aアドバイザーなど、知識や経験の豊富な専門家を含むネットワークの中で、安全安心に事業承継を行うことができます。 オークション形式なので、会社の売却額がどんどん上がり、経営者にも大きなメリットが生まれます。会社が特定できるような情報はふせて募集ができるところも嬉しいポイントです。
日本全国の買い手に情報が送信されるため、人口不足など地域の問題に左右されることなく、事業にぴったりな後継者を探すことができる、非常に使い勝手の良いサイトです。
後継者不足を解決し事業承継を進めよう
事業承継に際して発生しやすい後継不足の問題を解決するためには、さまざまな方法があります。どの方法にもメリット・デメリットがありますが、できる限り安心して事業を承継できること、事業を承継することで経営者である自分にもメリットが生まれる方法を選びたいものです。
後継者がいないからと言って廃業を決めるのは勿体ないことです。会社売買情報サイトなどを利用すれば、地域に関係なく後継者の募集をすることもできます。ぜひ便利なサイトを活用しながら、良い後継者を見つけ、スムーズな事業承継を目指しましょう。
あわせて読みたい関連記事
実質税負担ゼロで自社株が引き継げる特例事業承継税制とは?
事業承継にかかる贈与税や相続税の負担が軽減される?後継者は知っておきたい特例事業承継税制
特例事業承継税制を検討する際にはおさえておきたい特例の落とし穴
ちょっと待って!知っておきたい特例事業承継税制をとりまくリスクと対応策
事業承継をきっかけに家族ともめたくない方はお読みください
事業承継は先代経営者と後継者の問題だけではない。家族ともめやすい遺留分問題とは?
事業を売却するってどういうこと?
法人の事業譲渡とは?~メリット・デメリットと手続き~まとめて解説
企業の承継は、自社株の引継ぎだけじゃない
事業承継・会社/企業の承継って何?承継と継承の違いも合わせて解説
ゼロイチよりも買収!?これから増えるM&Aについておさえよう
M&Aって一体なに?会社に係るM&Aを基礎知識から理解しよう!
親族での事業承継を考えるポイントをまとめました
事業相続・承継!【親族内承継】って何?納税猶予も含めて解説!
中小企業を長年コンサルしてきた元金融機関行員中小企業診断士が語るシリーズ
事業承継との向き合い方②事業承継を幻にしないために〜誰に引き継ぐべきか〜
事業承継との向き合い方④~なぜモメるのか?親子間のボタンの掛け違いから考える事業承継~
事業承継との向き合い方⑤ 事業を譲る側がすべきこととは〜船に船頭は二人もいらない?〜