起業してうつ病になる、メンタル壊す起業家増加中。9つの原因・7つの対処策

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起業してうつ病になる起業家

僕が起業をして9年経ちますが、仲間内の起業家や取引先などの起業家、少なくとも知っているだけで、10名を超える起業家がうつ病となり、会社や事業をやめることになってしまっています。

僕からしてもまさかあの人がという感覚です。なぜそのようなことが起きるのかという原因と、対処方法についても少し書いてみます。

誰しもわかっていることですが、健康に勝る大切なことはありません。起業という社会を良くするための素晴らしいアクションをした、起業家が、精神をすり減らし、うつ病になり、再起不能になるということは絶対に防がなくてはいけません。

起業家がうつ病やメンタル崩す9つの原因

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売上が上がらずにどんどんお金がなくなる恐怖

起業した後、想像していた以上にお金がなくなるのが早かったり、また、想像以上にお客さんを集めることが難しいという現実に直面します。

起業家であれば皆わかることではないでしょうか?その現実に起業家の余裕は一気になくなっていきます。

日々、銀行口座のお金がなくなっていくことに、焦りと不安が増長していきます。どこかのタイミングで限界点を超えてしまうと、この現実をみたくないと自分の世界に籠ってしまうことがあるんだと思います。


実際に使える集客方法についてお話していますので、ご参考にしてください。
実際に使える集客方法23個と集客力を高める考え方とアイデア

資金繰りやお金との格闘

テレビドラマでも中小企業の社長が資金繰りに奔走しているシーンをよくみませんか?あれはドラマの世界の話ではなく、多くの社長が実際にやっていることなのです。

資金繰りがうまくできなければ、取引先にお金が払えない、従業員に給与が払えないなんてプレッシャーと日々付き合っている社長が無数にいるのです。

お金が払えないというプレッシャーは想像以上に大きいものがあります。

迷惑をかけたくないという責任感の強い社長であればあるほど、本当に追い込まれてしまいます。

自分が死んで保険金でという世界観になってしまうのだと思います。

仕事が多すぎパンクする

起業したあと、幸いにも仕事に恵まれた起業家も注意が必要です。

売れる起業家であればあるほど仕事はたくさん集まってきます。ただ仕事を取るということは、必ず納品をしなくてはいけません。

仕事にはスケジュール、納期が当たり前にあります。

そのため、納品の体制や、仕組がないときには、起業家自らが、日夜営業もしながら、納品をするということをしなくてはいけません。

いつまでに絶対にやらないといけない仕事が、10個もあるというような感じで、その仕事が、重大な仕事だったりすると、起業家本人にかかるプレッシャーはとても大きくなっていきます。自分がやらないととんでもない大きな損害を与えてしまうという具合に。

また、仕事の性質として自分の得意なことばかりやっていたらいいかといえば、起業当初は本当に自らが何でもしないといけません。

同時に色々な仕事を並行しなくてはいけません。マルチタスクが求められるわけです。

マルチタスクができる人は非常に少なく、たくさんの色々なタスクがあることで、それがプレッシャーになってしまうのです。

自分の苦手なことが常に頭の中にあって、嫌だな、嫌だなという気持ちを持ち続けてしまうのです。

僕の知り合いの起業家で、営業はめちゃめちゃ得意なんだけど、実際の仕事の納品は本当に苦手な人がいました。

スケジュール管理も苦手、マルチタスクは絶対にできないタイプ。

仕事は順調に増えていたのですが、実態として、スケジュール遅れが横行し、仕事の放置が起き、お客さんからめちゃめちゃクレーム、解約が頻発し、ボロボロになったのを知っています。

もう1人、僕のお客さんだった女性起業家(独立前のタイミングから僕の勉強会に参加)は、起業して1か月経たないうちにプレッシャーから会社をたたみました。

売上がなかったわけではないですし、1か月しか経っていませんでしたが、ご本人の想像を超えるタスク量や、プレッシャーが実際にはあったのだと思います。

今は元気にお勤めしています。

睡眠や休むことができない構造

1人でやっていたり、自分自身でないとできない仕事を抱えてしまうと、休むことができない構造になってしまいます。

睡眠時間が減ると明らかにミスが増えたり、精神的にも物事の考え方や捉え方がマイナスになっていきます。

なぜ、そもそもやっているのか?ということも見失ってしまいがちになります。

休めないことによって、どんどん心身を消耗してしまうのです。

また、体育会的な感覚があり、休むことがよくないことだという考えを持った起業家も多くいます。

そのためリフレッシュやリラックスができずどんどん追い込まれてしまうのです。

誰にも弱音をはくことができない

起業家の環境としてやはり体育会的な発想があったり、周囲の反対を押し切って起業している人や、大見得切って起業している人も多くいると思います。

会社を背水の陣で辞めて起業している人もいるでしょう。

そもそもこのようなプレッシャーを持ってのスタートを切っている起業家が多くいます。

そのため、自分の身近な人に弱音をはくことや、自分のSOSを伝えることがなかなかできない状況にあったりします。

さらに、起業家の仲間でざっくばらんに泥臭いことや、本当に困っていることなどを相談できる起業家仲間もいなかったりして、どんどん孤独になってしまうのです。

うまくいっていないということを言うと、仕事にも影響が出てしまったり、そんなこと言っても相手は困ってしまうのでは?ということで誰にも言えずに、どんどん塞がれてしまうのです。

起業は終わりがないので途方のなさを感じてしまう

起業をして一番感じることかもしれませんが、自分が止まったら、全てが止まってしまいます。

常にやらないといけない、動いていないといけないと思ってしまいます。

また、現実、動いても動いても、やってもやっても、終わりがないのです。

そのため、一生懸命やりきったとしても、すぐに次をはじめないと、実際のお金という意味で続かなかったりするし、心配の種は尽きないので常に考えてしまうのです。

永遠にこの繰り返しなのでは?ということを感じ、自分のやっていることの意味を見いだせずに何のためにやっているのかが見えなくなってしまう人が多くいます。

社員や信頼していた取引先などとのトラブル

少し軌道に乗り、仕組みづくりもできてきて、社員に仕事を任せられるような状態になってきたときに、一番信頼していた社員がお客さんを持って、独立してしまったとか、何の問題もなく仲良くやっていたと起業家は思っていたとしても、その一番信頼している社員が起業家の悪口をめちゃめちゃ言っているということを聞いてしまった、取引先に騙されてしまうなどによって、人のことがどんどん信じられなくなってしまうというケースもよくあります。

入社3日で社員がやめて、その後、会社にパワハラがあったと訴えてきてみたり残業代請求してきたりなどで疲弊している起業家をみてきました。

お客さんからの異常なクレーム、訴訟などを抱えてしまう

結構多いパターンだと思います。

嫌な、変な、異常なお客さんに捕まってしまい、そのお客さんのクレームややり取りに精神をすり減らされてしまうということです。

お客さんが理不尽なことを言っているケースが大半ですが、向き合ってしまうことによって、お客さんがどんどん異常なことを言ってきます。脅しを言ってくることも多々あります。

弁護士を立てて裁判起こすぞと言われると怖いですよね?自分には非が全くなかったとしてもそのように言われたらやはり怖いです。

実際に裁判となると、それはそれで時間も手間もお金も、精神的な負担もあります。

このクレームやトラブルによる、もめ事で精神をすり減らす人は多くいます。

僕のお客さんの1人で、助成金申請をやっている社労士がいました。

社労士のお客さんの問題で、助成金申請ができなかったにもかかわらず、お客さんに逆恨みされて、社労士会に懲戒請求を申し立てるとか、弁護士立てて裁判起こすと言われ、とても怯えながら相談を受けたことがありました。

お客さんなどとの交渉ごとがとても苦手

起業したてで、仕事もなかなかないと、お客さんから無理難題を言われても目先の売上のために本来であれば大赤字の仕事や、めちゃめちゃリスクの大きい仕事を引き受けてしまうケースがあります。

そもそも契約というのは交渉ごとです。

そのため、自分にとって良い条件で契約できることはとても大切なことです。

交渉ごとがとても苦手な起業家が多く、やりたくない仕事をしていたり、過大な仕事にすり減っているケースもたくさんあります。

起業家のうつ病やメンタル対策として有効な7つの方法

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起業家としての考え方や意思決定、立ち振る舞いを身に着ける

仕事がなくともリスクがとても大きな仕事は極力やらない、自分で責任のとれる範囲を目安に仕事は選ぶべきです。

契約は交渉ごとなので、絶対に譲れない条件は譲らないようにします。

疲弊する人とは付き合ってはいけません。

言っていることがどこからどうみても理不尽の場合には、その人と付き合いません。断る勇気を持ちましょう。

あなたも起業した時点で、どんな大きな会社の社長とも同じなのです。あなたの軸を持って、選択をしましょう。

起業家として売り上げを上げたい方はこちらの記事もご参考にしてください。
売上アップの方法とアイデア、施策と鉄則をまとめました

そもそもチャレンジ=起業できる人は勝ち組だというマインド

起業はあくまで手段ですが、そこに踏み込めたあなたはその時点で、できていない人(もちろんそれが悪いと言う意味ではありません)よりも、自己実現や勇気という意味で勝ち組です。なので、チャレンジした、チャレンジしようとした自分を誇りに思うべきです。

もちろん、起業はただの手段ですし、うまくいかない限り、ただのきれいごとなので、しっかりと結果を出さないといけません。ただ、捉え方を変えてほしいということです。

起業=うまくいかないとダメというのはそうなのですが、起業=チャレンジがある→うまくいくまで努力する。まずは、チャレンジをしたことがあって、うまくいくわけなので、チャレンジできた時点で、チャレンジしていない人よりは成功に近づいたんだということです。

客観的なメンターを置く

1人でやったり、考えること自体がそもそもの筋としてよくありません。

うつ病にならないためというよりも、会社や事業を良くするためにメンターを置いたほうがいいです。

良いメンターを置くことができれば、メンターがあなたの異変や、リスクになりそうなことを事前に指摘をしてくれます。

ライフラインのような存在ですね。もちろんすがるわけではありません。

客観的にしてもらう役割として、予防的な観点としてうまくメンターを活用できるとよいと思います。

メンターの重要性について知りたい方はこちらの記事もご参考にしてください。
意外とコミットメントが弱い?起業家の弱点とメンターの重要性

再起は可能だということを知っておく

起業して失敗したら人生が終わるみたいなことはありませんのでご安心を。

この時代、仕事は山のようにありますので、起業して仮に失敗しても、就職先はいくらでもあります。

そのため、やり直すことはもちろん、再度、準備して起業をすることすらできます。

起業家は色々なことを曖昧に考えていることが多く、いわゆる失敗に対して伴う現実の損害というのは思っているより大きくありません。

損害を具体的に、客観的にしておくことが大切です。そこがわかっていれば、うまくコントロールすることができます。

よく眠り、適度な運動、起業とは関係のない友達などとの時間を大切にする

起業家はどうしてもいつも、どんなときも会社や事業のことを考えてしまいます。

それが悪いことでもないのですが、たまには息抜き、リフレッシュをしましょう。

起業は本当に長い戦いになります。

全力で走り続けることができる時間は決まっています。

自分のモチベ―ションや健康のマネジメントは走り続けることをするために、とても大切なことです。

おススメは、物理的にルールとして決めてしまうということです。

例えば、起業とは関係のない人との時間を1か月に2回は絶対にそうすると決めることだと思います。仕事関係などになってしまうと休めませんので。

また、シンプルに週に1回くらい美味しいものを食べてみてはどうでしょうか?

僕は最近サウナにはまっています。

物理的にサウナの中だとスマホもいじれないのと、暑いので、考え事などもできなくなっていきます。

サウナを出る頃には、とても、心身ともにリラックスをしています。

ダメならダメと諦めることや撤退ルールを決めておく

もしもこうなったら、事業をやめようとか、もっと小さい規模にしようなど、撤退をはじめとするルールを客観的に決めておきましょう。

撤退のラインやルールを決めていないため、どんどん負け筋にもかかわらず、追加でお金をかけてしまったり、精神を消耗している人が多くいます。

やっている当事者は当たり前に客観性を失ってしまいます。

そのため、冷静に考えればわかる判断ができません。冷静に客観的なとき、起業する前などに撤退の基準をルール化しておくことがよいかもしれません。

ずるずるやらなければ、再起も復活も早くできますので。

弁護士はじめ法律の専門家をしっかりとつけておく

事前、事後の法律に関わるチェックをしっかりとやらなくてはいけません。

法律絡みの失敗やトラブルで結果として、ストレスを大きく抱えている起業家がたくさんいます。

予算の関係で顧問の形でなくとも、大きい取引や、リスクになりそうだなという時にはスポットでも構わないので専門家に相談をしておきましょう。リスクへッジが起業家を助けます。

起業支援専門家から見た起業・独立・開業の記事もご参考にしてみてください。
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著者プロフィール

伊藤 健太

伊藤 健太

2009年慶應義塾大学法学部を卒業後に、2010年株式会社ウェイビーを創業。
創業以来、一貫して、中小企業、個人事業主のインキュベーション(成長支援)に従事。
その数1,200社超。「世界を豊かにする経済成長のビジネスインフラを創る」というウェイビーの理念が大好き。
世界経済フォーラムが選ぶ若手リーダー選抜、徳島大学客員教授、スモールビジネス向け書籍7冊出版。