「株式会社や合同会社(LLC)」を起業する!手順・手続きを解説

ポイント
  1. 起業の手順を知る為に株式会社・合同会社(LLC)の相違点を知ろう!
  2. 起業をする為の手順や手続きの流れ

目次 [非表示]

起業をする際に、一般的に利用されることの多い会社の形態は「株式会社」や「合同会社(LLC)」だと思います。

これらの会社は営利目的となり、わかりやすく説明すると“お金を儲けることを目的とした会社の形態”となります。これから起業を考えられている方にとっては、起業をするまでの手順や手続きなどについて、どのような流れによって行えば良いのか想像がつかない方もいらっしゃることでしょう。

今回は、株式会社・合同会社(LLC)に絞って、起業をする際の手順や手続きをわかりやすく解説させて頂きたいと思います。

株式会社と合同会社(LLC)の相違点

株式会社と合同会社(LLC)は、起業する上で、大きな違いはあまりありません。ただし、手順や手続きを知る上で、知っておいた方が良い相違点がありますので確認しておきましょう。

 商号

まず商号は、株式会社/合同会社(LLC)となる為、この商号の前後に社名を付けることになります。

例:株式会社○○/△△合同会社(LLC)

1-2.    設立時の登録免許税

次は税金面ですが、起業する時には必ず登記が必要となります。

登記とは、「この会社は自分が設立したものである」など、第三者にも証明する為のものでもありますし、会社設立時には必ず登記をしなければなりません。その時にかかるのが「登録免許税」です。
この税金には、株式会社と合同会社(LLC)では金額に違いがあり、株式会社の場合は15万円合同会社(LLC)の場合は6万円となっています。

決算の公告義務

株式会社の場合は決算の公告義務がありますが、合同会社(LLC)の場合はありません。

資本の出資者となる人

出資者は、株式会社の場合「株主」ですが、合同会社(LLC)の場合は「社員」となります。

少しわかりづらいと思うので解説を入れておきますが、合同会社(LLC)における「社員」というのは、一般的に皆さんが思う「会社の社員(従業員)」とは意味が異なります。合同会社(LLC)の場合、出資者が集まってそれぞれが代表となることができます(※合同会社(LLC)は1人でも設立可能です)その方々のことを「代表社員」呼ぶのです。

合同会社の社員とは株式会社の取締役をはじめとした役員と同等と考えるといいでしょう。株式会社でいえば、代表者が「代表取締役」になりますが、合同会社(LLC)の場合は「代表社員」と呼ばれるのです。

株式の公開

合同会社(LLC)の場合は、そもそも株式が存在しない為、株式の公開はありません。株式会社の場合は、任意での公開となります。

役員の任期

役員の任期は、株式会社の場合2年~10年となりますが、合同会社(LLC)の場合は任期が設けられません。

株式会社と合同会社(LLC)の一致する点

起業するにあたって、株式会社と合同会社でも一致する点がありますので見ておきましょう。

・最低必要となる資本金:1円以上
・必要最低限の役員数:株式会社「取締役1名」合同会社(LLC)「代表社員1名」
・社会保険の加入:義務

資本金1円で起業できるって本当?

ここで少し資本金1円でも起業できる件について触れておきたいと思います。会社法という法律では、資本金が1円であっても会社を設立することは可能です。ただし、1円起業については注意して頂きたい点があります。

1円で会社設立できるからといって、その選択が必ずしも正しいとは判断しづらいという点です。

法律では資本金1円で起業することは可能ですが、実際に資本金が1円の会社というのは、対外的に信頼度が低くなる危険性を秘めているからです。資本金は、会社の運営にも使われますから、何かあった時に会社の資産が1円しかないとなると、取り引きする会社からすれば、不安が募る可能性が十分に考えられます。

また、金融機関にもよりますが、資本金1円では法人口座を作れないと判断されるケースもあります。そうなると、そもそも起業して事業活動を行うには法人口座は必須ですから、口座開設ができないと、いつまで経っても事業活動を行えず、会社を起業した意味がなくなってしまいます。

それらの点を踏まえた上で、資本金の額を決定する必要があることを覚えておきましょう。

また、近年「会社は1円でも設立できる」という文句だけがイタズラに出回るようになり、勘違いをしてしまう方が多いのも事実です。1円というのは、あくまでも資本金だけの話であり、起業する為には別途、登録免許税やその他にかかる費用がありますから、起業=1円で出来ると勘違いをしないように注意しておきましょう。

起業をする為の手順や手続きの流れを確認しよう!

では、実際に起業するまでに必要となる手順や手続きの流れを具体的に見ていきたいと思います。

起業を完全に終えるまでには、準備をする段階から~登記が完了するまでとなります。登記は法務局で行いますが、登記申請をした日に登記の手続きが完了することはありません。一定期間を経て、登記が完了します。

ただし、法務局にて登記が完了した日が会社の設立日となるわけではなく、申請をした日が会社の設立日となり、「起業した日」となるのです。つまり、申請を終えてから登記が完了するまでには一定の期間が必要ですが、登記が完了すれば、申請した日に遡って、設立日となるのです。

では、実際に起業日となる「登記完了」までの流れを確認してみましょう!

印鑑を作成しよう!

起業する為には、必ず印鑑が必要です。印鑑は、「代表印」「銀行員」「社判」の3つを用意します。

それぞれ大体1週間程度で完成すると見込んでおくと良いでしょう。

定款作成をする

次に、会社の定款を作成します。

株式会社・合同会社(LLC)、共に「定款作成」は必須となります。定款というのは、その会社における憲法のようなものであり、登記する際には絶対に必要になります。

定款の認証

定款を作成したら、次は認証を受ける必要があります。
これは専門家に依頼することで、電子定款を行うことができる為、収入印紙代が0円になるというメリットがあります。勿論、専門家に依頼する為の料金は発生しますが、収入印紙代に比べれば、はるかに安く済みます。

また、定款認証は合同会社(LLC)の場合、不要となります。その分、合同会社(LLC)を起業させたい場合には、設立時にかかる費用が少し抑えられるというのが利点です。

料金は、定款認証は5万円、収入印紙は4万円となります。また、定款の枚数によって変わりますが、謄本交付料というものが別途約2,000円かかりますし、その他に登録免許税もかかってきますので、それらを想定した金額を用意する必要があります。

登記書類の作成

登記に係る書類を作成します。
一般的には、行政書士・弁護士・司法書士などの専門家に依頼される方が多い傾向にあります。

勿論のことながら、自分で出来ないわけではありません。必要書類を事前に法務局へ電話して伺ったり、直接出向けば丁寧に説明してもらえます。

ただし、定款認証を受ける際には、ほとんどの方が専門家に依頼されますから、その流れにやって貰う方が、面倒がなくて良いでしょう。更に、法務局は平日しか行われていない為、平日に時間が取れない方は必然的に専門家に依頼する方が最も起業までの流れが早くなると考えておくべきでしょう。

出資金の振り込み

定款認証と登記書類が無事に整ったら、資本金の振り込みを行います。

振り込み先は、発起人となる代表者の個人口座となります。資本金の振り込みが終わったら、通帳の「記帳欄」「表紙」「個人情報欄」をコピーしておきましょう。

登記申請

ここまで来たら、登記の申請に入ります。

登記申請は、会社の住所として登録する所(本店所在地といいます)を管轄している法務局で行います。無事に登記が完了したら、申請日が会社の設立日となります。

ここまでが、起業するまでの間に行われる一般的な手順と手続きの流れとなります。

まとめ

今回は、起業までの手順や手続きなどの流れを理解して頂く為、株式会社と合同会社(LLC)の相違点から把握して頂き、その上で流れを見ることで、より深く理解して頂けたのではないかと思います。

株式会社と合同会社(LLC)では、会社形態に多少の違いはあるものの、起業までの流れとしては、そこまで大きな違いがないということが分かって頂けたのではないでしょうか。どちらにしても、起業をする際の必要な流れとはなりますが、ここを無事にクリアすれば設立までたどり着きますので、あまり尻込みすることなく起業に向けて一歩踏み出して頂けたらと思います。

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