サラリーマンを退職し独立する上で気をつけること

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現在はインターネットが普及していますし、事業にも多種多様なものがあります。そのため、独立開業を目指すことは以前より難しくありません。

しかし、独立開業は夢や希望だけでできるものではなく、苦労や困難がつきものです。

特に、サラリーマンとしてずっと働いてきた人は、独立後は意識を変えなければなりません。

ここでは、サラリーマンを退職し独立する上での注意点をまとめました。

退職時に礼儀を忘れないようにしよう

「独立開業」というと一般的にはおめでたい出来事です。友人や知人からお祝いの言葉をかけられたり、お花をもらったりすることもあるかもしれません。

しかしそのような対応を、所属している会社に対しても期待するのはお角違いであるということは、よく認識しておいた方が良いでしょう。

なぜならば会社を辞めるということは、多かれ少なかれ企業にとってはマイナスとなるからです。

「自分の代わりなんていくらでもいる」と考えている人もいるかもしれませんが、そのようなことはありません。

大きな仕事を任せられていればその事業がまるごと無くなってしまうわけですし、今のポストによっては、今後の企業戦略を見直さざるを得なくなるケースもあります。

また、そこまでではなかったとしても、会社に所属している間は企業からお給料をもらい、さまざまな人に育ててもらったわけです。

それにも関わらず辞めてしまうわけですから、企業としてマイナスに捉えるのは当然のことです。

さらに、会社を辞める際にしっかりと後の人へ引継ぎを行わなかったり、急に辞めたりするなど、適当な辞め方をして企業に損害を与えてしまったケースも実際にあります。

そのような事情から、退職する際に独立起業が理由であったとしても、それを奨励してくれるような会社は多くはありません。

どんな会社であっても、辞めるまではその会社の一員です。そのことをしっかりと心に留めておきましょう。

特に、所属していた会社と同種の事業で独立開業する場合には、辞め方が悪かったために会社と遺恨が生じてしまうと、独立後もトラブルが続く可能性もあります。

ちなみに、先に触れた、退職の際に適当に辞めて企業に損害を与えてしまったケースでは、後に、辞めた人が訴えられています。

双方が気持ちよく新たな道を進むことができるように、後の人への引継ぎなど、辞めるまでの責任をしっかりと果たしてから退職するのが礼儀です。

会社設立よりも事業システムの構築が先

退職したとしても、何も計画がないままにいきなり会社を作ってしまうのは、やはりNGです。

従来とは異なり、今は資本金が一円だけでも株式会社を設立することができるようになりました。

つまり、だれでも簡単に会社を作って、「社長」という肩書を手にすることができるようになったわけです。

しかし、会社を設立しただけの段階では、「社長」というのはまだ中身の伴っていない、単なるハリボテに過ぎません。

そこから社長としての自分の中身を育て、何より生活を成り立たせていくためには、しっかりと事業を成功させなければならないのです。

事業を成功させる上で、特に重要でクリアしなければならない問題は資金繰りです。

法的には資本金一円でも会社の設立が可能とは言え、実際にはオフィス用品や事務所の家賃など、初期にはさまざまな費用がかかります。

そのような費用を自前で賄うのか、あるいは資金を借り入れるのか、あらかじめ決めることが必須です。

さらに、借り入れるのであれば、その後どのように返済していくのかなど、綿密な事業計画を立てることが不可欠となります。

このような事業計画がないままにただ会社を設立しても、なかなか上手くは行かないでしょう。

ですから、まずは資金繰りなどに関する計画をしっかり立て、実際の事業システムを構築するのが先です。会社を設立するのはそれからでも遅くはありません。

独立開業で後悔しないかもう一度考えよう

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会社を退職するというのは、人生においてかなり重要な決断になります。

「そんなことは分かっている」かもしれませんが、今一度、退職をして後悔しないか考えてみましょう。

退職して一番気になるのは、やはりお金の問題です。生活していくためにどのくらいのお金が必要か、本当に把握しているでしょうか。

会社員をしていると給料は毎月口座に振り込まれているので、そこから何にどのくらいのお金を使っているのか、税金などでどのくらいが天引きされているのか、意外と分かっていないものです。

また、独立して間もないときには、なかなかお金を稼ぐことはできません。

稼げなかったとしても数年間持ちこたえられるだけの余力があるのかも、計算しておきましょう。

その際、自身がどのくらいまで生活のレベルを落とすことができるのかということも、重要なポイントになります。

稼げない間は当然のことながら、かなりの節約生活を覚悟しなければなりません。

例えば、会社に所属していると、ランチや仕事終わりにコンビニに寄ってデザートを購入する、ということもあるでしょう。

しかし、独立後で節約しなければならないときは、そのような行為も贅沢です。

水道や電気・ガスなども、会社員時代に無頓着に使っていた人も、独立後は逐一使用量を意識しながら使うことになります。

そのような生活に自分がすんなりと入れるのかどうか、しっかりと考えておいた方が良いでしょう。

もし、「美味しい物を食べるのが幸せ」「わびしい生活はしたくない」という人は、今はどんなに独立したいと考えていたとしても、会社員を続けた方が実は幸せかもしれないのです。

また、退職して独立を目指した際に多くの人が感じるのが、「孤独感」と言われています。

例え会社員時代にも、周囲の人とほとんど会話をしていなかったとしても、一人で独立開業した後の孤独感というのはまた違って大きなものです。

何か趣味の分野でサークルなどに入れば仲間もできますが、独立間もないときにはお金も時間もありませんので、そのような趣味の活動も難しくなるでしょう。

そんな状況でも耐えられるのか、自分自身について分析しておくことは非常に大切です。

いずれにしても、退職して独立開業を目指す際には、楽しさや喜びも大きい反面、苦労や困難がつきものです。

「やっぱり退職しなければ良かった」とならないように、あらかじめ想定されることについてはしっかりと考えた上で準備し、勝算を持って退職するようにしましょう。

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