会社設立に必須な登記とは?またその具体的な方法も解説

ポイント
  1. 会社を設立すれば登記が必ず必要
  2. 登記の方法を理解する
  3. 設立以外でも登記が必要なケースを理解する

商業登記(法人登記とも呼ばれます)は株式会社・合同会社・NPO法人・一般社団法人・一般財団法人のように会社を設立して起業する際に必須となる行為となります。

商業登記が行われることで、あなたの設立した会社の情報が法務局の法人登記簿に記録されることとなるのです。
起業して会社を設立する場合には絶対に必要な手続きですので、理解しておくことは非常に大切といえるでしょう。

ちなみに登記された情報は個人の情報と異なっており、お金を支払う必要はありますが個人情報保護法のような法律で保護されておらず、希望すれば誰でも閲覧することが可能ですので、一度気になる会社の登記簿を取得して、登記制度を実体験として感じてみるのも会社を設立しようと考えている起業家の方にはいい体験なのではないかと思われます。

会社の登記はそもそも何をするものなのか

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まず法人は個人とは異なることを理解しましょう。
個人は産まれたら出生届を市区町村役場に提出することで戸籍が作成されています。
対外的に自分自身に人格が存在することを主張することができます。

法人も同じことで、個人の出生届により戸籍が作成されている部分が、法務局に登記手続きを行うことにより登記簿が作成されて法人として人格が対外的にも主張できると考えるとわかりやすいのではないでしょうか。

登記には期限があることに注意しよう

会社が登記をおこなわなければいけない期間は法律(会社法)で決められています。

登記すべき期間は、原則的には会社設立がされた日から二週間以内におこなうこととなっています。(会社法第915条第1項の条文を参照してください)

ちなみに規模が大きくなって他地域に支店を開設して、登記を行う場合には支店が開設されてから三週間以内と決められています。(会社法第930条第3項の条文を参照してください)

登記すべき期間内に登記をするのを忘れてしまい、期間後にあわてて登記手続きをおこなっても法務局で拒否されることは原則的にはありませんので、会社が設立できないのではないかという不安に関しては安心してもいいでしょう。

ですが、登記手続きを期間内に行わなかったとして、代表者であるあなたに過料(交通違反時の反則金みたいなものです。)が科せられる可能性があるので、自分で設立手続きを行っている場合は特に登記すべき期間は忘れないようにしましょう。

登記が遅れた場合の過料の金額は?

過料の金額は、最大で100万円(会社法第976条第1項第1号の条文を参照してください)となっており、実際に支払うことになる金額は裁判所の判断で決まることになります。実際の運用では、設立登記が遅れたからといって、100万円の過料が裁判所で決定されることはほぼないようです。

多くのケースでは少なくて1万円~多くて10万円程度の金額で登記の遅れの罰則は済んでいるようなので、罰則の中では軽い方であるとはいえるのではないでしょうか。

ですが、登記を期間内にしておけば本来は1円も支払う必要のないお金ですので、資金を浪費しないためにも登記はしっかりと期間中におこなうことはわすれないようにしましょう。

過料の通知が裁判所から郵送されてきた

過料は、設立登記申請が遅れている会社を確認した、法務局の登記官から裁判所に、登記が遅れていることが通知されます。そして、遅れている事実を把握した裁判所は、「会社の代表者であるあなた」に通知を出すのです。

裁判所からの通知は登記を送れて申請した後であればすぐに連絡がくるのではなく、ある程度の時間をおいて通知がきますので、忘れたころに過料の通知がきてびっくりすることもあるでしょう。

裁判所からの通知書を受け取ったあとは、通知書の中に記載されている過料の金額を代表者個人が支払う必要があります。会社ではなく個人が支払うということですので、登記期間遅れの過料は会社の必要経費として会計帳簿に計上できないことにも注意が必要であるといえるでしょう。

会社の登記をしなければ事業も何も始まらない

会社を登記するメリットといえるのかどうかは微妙ですが、登記をしておくことで金融機関へ融資の相談ができたり、取引相手をはじめとして対外的な信頼性が増すともいえるかもしれません。

ですが、そもそも設立登記をしていない状態ですと、金融機関で法人口座を開設する際に金融機関からストップがかかる可能性は非常に高いでしょう。

マネーロンダリングを始めとした金融犯罪に口座が利用されると金融機関も責任を問われる可能性がありますので、怪しいと感じさせる会社に簡単に口座を開設させるほど、最近の金融機関は甘くはありません。

本当に存在しているかどうかわからない会社と大きな事業の取引を行うほどチャレンジャーな会社は皆無でしょうから、登記をしなければ事業は始まらないと覚えておく方が安全なのではないでしょうか。

登記に必要な書類を一覧で確認しよう

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今回の内容は登記についてだけの説明ですので、登記に必要な書類については簡単に紹介させていただくに留めることとします。

必要な書類を紹介しておきますので、実際に登記書類を集める際にはチェックリストなどとして利用していただければと思います。

会社の組織形態によっては必要ではない書類もありますので、自分で設立手続きを行う際は事前に法務局の担当者に確認すると無駄な時間が省けます。

登記に必要な書類一覧

☆会社印鑑(最低でも実印だけでも)
☆設立登記申請書
☆登録免許税支払いのために収入印紙を貼る台紙
☆認証済の会社の定款
☆発起人の決定書
☆取締役の就任承諾書
☆代表取締役の就任承諾書
☆監査役の就任承諾書
☆取締役の印鑑証明書
☆資本金の払い込みが完了したことの証明書
☆法人の実印の印鑑届出書
☆登記すべき事項を記載した紙またはデータを保存したCD-Rなど

設立以外で登記が必要になる場合を把握しよう

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登記は会社設立以後でも必要な場合があります。ここではいくつかをピックアップして設立後でも登記が必要な事例を挙げていますので、参考にしてみてください。

会社の本店所在地を移転させた場合

登記簿上の本店所在地を変更した場合には、変更した日から二週間以内に登記をしなければいけません。

本店の変更登記は、元々の本店所在地を管轄していた法務局と、移転した本店所在地を管轄する法務局の二か所に移転した事実の書類を提出する必要がありますので、期間を過ぎないためにもスピーディーに行うことが大切となります。

会社の役員を変更した場合

役員が新しく就任する・辞任する場合にも登記が必要となります。

この登記の期間も本店所在地の移転と同じく、役員が就任を承諾した日から二週間以内となっています。
設立登記と同じく登記期間をすぎると過料を科せられることもありますので、とにかく登記手続きが必要となったら素早く行動しましょう。

会社を解散させる場合

これ以上会社を存続させる必要がなくなり、会社を解散させる場合には解散登記が必要となります。

人間でいえば会社の解散は死亡と同じですので、人間が死亡届を提出するように、会社は解散登記を行うということなのです。

外資系企業が日本進出をする場合

海外を本拠地とする企業が、日本で継続して企業活動を行う場合には、日本法人の代表者を決定して、法人登記も行わなければいけません。

この登記を行う際には、日本法人の代表者は日本国内に住所がなければ認められません。また、代表者が2人以上いる場合には、その中の1人が日本に住所があれば問題ないこととなっています。

海外企業の代表例

アマゾン(アメリカ)➡アマゾンジャパン合同会社
レッドブル(オーストリア)➡レッドブル・ジャパン株式会社
モンスターエナジージャパン(アメリカ)➡モンスターエナジージャパン合同会社
Google(アメリカ)➡グーグル合同会社
ダイムラー(ドイツ)➡メルセデスベンツ日本株式会社
ルノー(フランス)➡ルノー・ジャポン株式会社
フェラーリ(イタリア)➡フェラーリジャパン株式会社

事業をおこなっているのに登記が必須ではない場合

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事業活動を行っているにも関わらず、登記が必須ではないケースがあります。

それは個人事業主です。個人事業主は登記が必須ではありませんが、登記ができないわけではありません。

商業登記をおこなっておくことで個人事業主でも屋号や商号が保護されるという意味では登記をおこなうことにメリットはあるといえるでしょう。ただ登録免許税が3万円ほど必要ですので、コスト面と相談して決めるといいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回は会社設立時の必須の手続きである登記に的を絞って解説してきました。登記が必要な場面が設立時以外にも結構あることに驚いた方もいるのではないでしょうか。

会社は登記によって法人格という人格を特別に付与されていますので、住所変更・役員変更・定款の内容変更のような小さな変更であっても、その都度登記を必要とします。

会社を設立して事業をしていくときには、会社の変更があった場合には登記の必要があるかどうかを頭の片隅において活動をしていただければと思います。

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