自宅?賃貸?シェアオフィス?独立したら知っておきたい初めての事務所の選び方

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独立起業する際には「事務所」が必要となります。自宅を事務所と兼ねている人も多いものの、広い作業スペースを確保するなら新たな物件と契約するべきでしょう。そして、失敗しない事務所選びにはいくつかのポイントがあります。

この記事では、独立起業に向けて事務所を選ぶコツや、事務所に置きたい備品などを解説していきます。

事務所の種類はいろいろ!目的によって選ぼう

まずは、賃貸オフィスを事務所にするケースが一般的です。賃貸オフィスなら費用を抑えられるうえ、事業を拡大するときは気軽に引っ越せるのもメリットです。そのかわり、家賃によっては購入してしまったほうが安いこともあるので、費用面は慎重に確認しましょう。

次に、「SOHO可のマンション」も事務所の有力候補です。SOHOとはインターネット環境があり、ビジネスに利用しやすいスペースを指す言葉です。実用的な構造は便利であるものの、事業内容によってはマッチしないため、仕様をよく調べましょう。

そのほか、「レンタルオフィス」「間借り」などの方法で、必要最小限のスペースを借りるのも効率的です。管理業者が廃業する危険を除けば、少人数の事業にはぴったりの形態だといえるでしょう。

近年では、「バーチャルオフィス」「コワーキングスペース」などで働く事業主も増えてきました。これらの方法なら特定の物件を借りなくても仕事を行えます。一方で、従業員のいる事業では導入しにくいのがメリットです。

そして、パソコンさえあればできる仕事なら、自宅を事務所にしてもいいでしょう。プライベートと仕事で気持ちを切り替えられる人には、コストを抑えられる働き方です。

自宅で働けない場合もある?事務所を持つべき仕事とは

単純な費用削減を目指すなら、自宅を事務所にしてしまうのが効果的です。しかし、職種によっては自宅と事務所を分けたほうがいいので注意しましょう。また、バーチャルオフィスやコワーキングスペースでまかなえない仕事もあります。独立する際には、事務所の必要性を検討してから準備を進めることが大切です。

まず、「来客が多い仕事」は事務所が必須となるでしょう。生活臭の漂う自宅に大切な取引先や顧客を招くわけにはいきません。企業の信用を損なわないためには、しっかりした事務所を構えることが肝心です。

次に、「従業員の多い仕事」です。自宅に大量の従業員がいても、効率的に仕事はできません。第一、よほど広い家でなければそれぞれが働けるスペースを確保できないでしょう。

そのほか、「専門の設備が不可欠な仕事」でも事務所を借りるべきです。複合機やサーバーを置くだけで、かなりの面積が奪われます。そのうえ、資料の棚や作業台などを運び入れると、プライベートのスペースは失われてしまうでしょう。狭い部屋に設備がひしめきあっていると、災害時のトラブルも心配です。損害が出る前に、最初から事務所を用意しておきましょう。

事務所に必要な備品には何がある?

独立を決意し、事務所を選ぶ際には「必要な備品」を想定してみるのが得策です。どのような備品を運び入れ、仕事に使うのかをイメージできればぴったりの事務所が見つけやすくなります。

たとえば、ネット回線やパソコンはほとんどの職種で欠かせない設備でしょう。固定電話やコピー機、複合機、シュレッダーなども多くの企業に備わっています。

さらに、事務所にはある程度の家具も不可欠です。作業用のデスクや椅子、本棚などに加え、来客用のソファを置いているところもあります。休憩や食事ができるよう、冷蔵庫や電子レンジも検討してみましょう。

さらに、企業には重要な書類がたくさんあるので、普通の引き出しや棚だけでは心許ないところです。経営者の目に届く位置に金庫を置くと、安全性は高まります。

そのほか、ミーティングルームや喫煙室、仮眠室などを特別に作るなら広い物件を探さなくてはいけません。そして、最終的には「家賃」との兼ね合いになります。事業が軌道に乗る前から高い物件を選ばないようにしましょう。

最初は安い物件から起業して、利益に応じて引っ越していくのが無難です。

事務所の持ち方次第で節税も可能!

独立を控えている事業主の中には、「経費」に頭を悩ませている人もいるでしょう。

確かに、企業経営では支出を避けられません。事業で成果を出そうと思えば、相応の費用を負担する必要があります。中でも、税金は逃れられない仕組みであり、事業主にとっての悩みの種でしょう。

しかし、事務所の持ち方次第で節税が行えます。たとえば、自宅を事務所としているなら、これまで普通に払ってきた「光熱費」「インターネット代」などを「必要経費」に加えられます。確定申告では事業所得から必要経費を差し引いた分が納税の対象となるため、経費が多くなるほど所得税は安くなるのです。

シェアオフィスを借りる場合にも、節税を意識してみましょう。シェアオフィスとは複数の企業や個人事業主が特定のスペースを分割して使う事務所です。そして、シェアオフィスを借りるなら「支店」扱いにし、自宅を「本店」としましょう。そのうえで、自宅と同じ市町村のシェアオフィスを選びます。

税制では、同じ市町村内にある本店と支店から二重に住民税を徴収できません。つまり、自宅分の住民税さえ支払っておけば、シェアオフィス分の税金は払わずに済むのです。

スタイルはいろいろ!自分に合った事務所を選ぼう

事務所選びにはひとつの正解がありません。大切なのは、事業内容を踏まえて適切な物件を探すことです。

たとえば、1人でパソコンさえあればできる仕事なのに広いオフィスを借りても無駄になってしまうでしょう。ただし、「自宅では集中ができない」などの理由があるなら、あながち間違いともいえません。本人にとって費用をかけるだけの価値があると思えるなら、あえて自宅以外に事務所を置くのもいいでしょう。

ただし、「節約」の気持ちは忘れないことが肝心です。独立したばかりの頃は利益が入ってくるまでに時間が空くため、経営において贅沢ができません。事務所の設備投資を一気にしてしまうと、後から回収できなくなり経営に影響を及ぼすリスクが出てきます。家賃も含め、最初は負担の小さい物件から事業を始めるようにしましょう。

そして、事業が順調に拡大するにつれ、広い事務所へと引っ越すようにします。そのときどきで、もっとも自分に合った物件を事務所にするのが失敗しないコツです。

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