独立後は厚生年金に入れない?個人事業主と法人の違い。

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企業にいるときには厚生年金が給料から天引きされることが多いです。ただ、独立後は厚生年金にそのまま入ってはいられないので、一度抜けることになります。

抜けたあとに個人事業主になるのであれば、厚生年金に入ることはできません。法人であれば厚生年金に入ることができるでしょう。

ここでは厚生年金の色々な面について、解説していきます。

独立するとそのまま厚生年金は継続できない

独立すると以前いた会社の厚生年金に入り続けることはできません。一度抜ける手続きをして、新たに入り直す必要があるのです。

ただ、個人事業主は厚生年金に入ることはできませんので、入れるとすれば独立後に入社したのが法人だった場合です。

厚生年金は加入条件がありますので、企業以外で満たすことは難しいでしょう。また、退職時に厚生年金と共に加入していた社会保険からも抜けることになります。

厚生年金と違い、社会保険は個人事業主なら二年間継続することもできます。継続しないのであれば、国民健康保険に切り替える手続きが必要です。

個人事業主と法人では違うことがある

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厚生年金を抜けたあとの対応は、個人事業主と法人で違います。個人事業主は国民年金に加入して、法人であれば厚生年金に入り直すことになるのです。

個人事業主が入る国民年金には加入手続きをしないと入れないことがありますので、手続きは独立時に必ずしておきましょう。

加入していないと年金をもらえないことがあります。また、手続きが遅れたり、滞納したりしてしまうと、年金の支給額に影響が出ます。

そうならないように、国民年金の支払いは確実に行うことが大事です。経済的に厳しい状態の時には相談をすれば、減額や免除の措置があります。

払えなくて困っているときには、相談することが大切です。ただ、個人事業主が入る国民年金は厚生年金に比べるともらえる年金がかなり少なくなります。

一方、法人が加入する厚生年金の場合は、国民年金の上に厚生年金を上乗せして支払っているので、もらえる年金が多くなるのです。

厚生年金は企業と従業員が半分ずつ出して支払いをしているため、従業員の負担は小さくなっています。

従業員が支払う金額はあまり変わりません。そのため自覚は少ないです。

しかし、年金として支払っている総額は、企業が払ってくれているので多くなっています。その金額が老後に返ってきます。

厚生年金は給料から天引きされていると、その意味に気づきにくいです。独立して年金について調べるようになり、厚生年金のメリットが分かるでしょう。

40年以上同じ企業に勤めている人と、国民年金だけを納めている個人事業主では納付額に二倍以上の差がつきます。

払っている金額が違うのでもらえる金額が大きく違います。そんな個人事業主が年金を多くもらうためには、国民年金以外の年金制度を利用することが重要になります。

ただ、個人事業主は厚生年金に入れませんので、他の手段を考えるしかありません。厚生年金以外で国民年金に上乗せする制度の一つが国民年金基金です。

加入の条件を満たしていれば、国民年金基金を利用することで老後に年金を二重で受け取れます。

国民年金基金は任意で始められますし、経済的に厳しいときは入る必要はありません。

毎月の支払い額は自分の所得に合わせて決めることができますので、無理に支払う必要はないです。その点は国民年金よりも柔軟性があります。

国民年金基金のメリットは、支払ったお金が全額所得控除を受けられることでしょう。民間で加入する個人年金ではここまでの所得控除を受けることはできません。

所得控除が受けられれば、税金が低く抑えられて支払う所得税や住民税が少なくてすみます。

さらに、年金を受け取るときにも雑所得の公的年金等控除が適用されます。年金を受け取る額が大きければ、控除のメリットは小さくないです。

この国民年金基金への加入は任意ですが、加入すると基本的に抜けることはできません。加入後に支払いが苦しくなったときには支払い猶予をもらいましょう。

2年間の猶予がありますので、そこで支払えるように頑張ります。未納分はあとで支払えば、満額の支給額を受け取れます。

他に年金を増やす方法は、iDeCoを利用することでしょう。iDeCoは個人型確定拠出年金の愛称で、毎月決まった掛け金を投資に回します。

そこで貯まったお金を60歳以降に受け取る仕組みです。掛け金は投資信託、国債、定期預金などの金融商品から自分で選んで、投資をします。

これだけであれば、一般的な投資と変わらないかもしれません。しかし、iDeCoではこの投資をした金額が全額所得控除になる特徴があります。

例えば、毎月2万円の掛け金を払っていたとすれば、24万円の所得控除が受けられます。

さらに、iDeCoで儲けが出たとしても、税金がかからないという特徴もあります。一般的には投資で儲けが出たときには一定額の税金を確定申告時に支払うことになります。

これが非課税になっているのがiDeCoなのです。60歳まで運用実績して上がった利益を考えると、非課税のメリットは大きいです。

株式投資などでは20%を税金で支払いますので、60歳までに支払う税金はかなり多くなるでしょう。

他にあるiDeCoのメリットは、年金を受け取るときに退職所得控除と公的年金等所得控除を受けられる点です。

これによって、受け取るときにも税金を低く抑えられます。もう一つiDeCoのメリットは月額5千円から始められることです。

手軽に始められるのはiDeCoの特徴と言えるでしょう。ただ、iDeCoは自分で運用するものなので、確実に儲けが出るとは限りません。

そのため、できる限りリスクが少ない投資先に投資することが大事です。

独立後の注意点

独立後に年金に加入するときには注意点があります。どちらの年金であっても、手続きには提出期限があるという点です。

手続きをしないと年金に入れなくなりますので、期限は必ず守ることが大事です。個人事業主が入る国民年金では、退職日から14日以内と決められています。

ポイントは退職日から14日以内という点です。有給休暇などで退職日が1か月後になることもあるでしょう。その時は、退職をしてから手続きを取る必要があります。

もう一つの厚生年金は入社後5日以内です。会社によっては手続きに不備があり、すぐに手続きできないこともあるかもしれません。

そうならないように、手続きが完了したかを確かめる必要はあります。

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