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経営に役立つ事業計画書の考え方とおすすめテンプレート

目次 [非表示]

経営には事業計画書は必須だと言われますが、ほとんどの場合、融資を受けるために、やや消極的に作成しているケースが多いように思います。

しかし、事業計画書を作ることのメリットは融資を受けられる以外にも、たくさんあります。事業計画を作ることで、自社の方向性がまとまり、経営がしやすくなることを実際の支援を通して実感しています。

今回は、事業計画書を作成すべき理由と、活用できる場面、そして、実際に事業計画書を作る際に役立つテンプレートをご紹介したいと思います。

事業計画書はなぜ必要なのか

事業計画書を作った方がいいとはよく言われますが、なぜ必要なのでしょうか。融資や出資を受けるためでしょうか。実は、多くの人の協力が必要な経営に必須だからです。

わかりやすく説明するために、有名なコロンブスの話をご紹介しましょう。

彼はマルコポーロが遺した東方見聞録を読み、黄金の島ともいわれた富あふれる島ジパングへ行くという夢がありました。普通の人なら、行ってみたいなぁと空想を膨らませるだけかもしれませんが、コロンブスは夢で終わらせたくなかったようですね。

コロンブスは、彼なりに計画を立てました。ジパングまでの距離を想定し、必要な船はどんなものか、必要な水夫は何人か、それなら必要な食糧の量はどのくらいかをまとめました。これが、事業計画書です。

これをいろいろな人に話すことで、資金援助を得ようとしました。その結果、スペインのフェルナンド国王が支援してくれることになりました。これは、事業計画書があったからこそ、支援する人がまわりに集まったのです。

事業計画書を作成し、公表することで支援者や援助を集め、行動計画によって実際に試行し、失敗を乗り越えてまた行動する。あきらめずに成果を待ち続けることが重要です。

まずは、事業計画書を作ってみましょう。事業計画書作りを通し、自社の事業を客観的に見つめることができ、人にどう伝えたらよいかを考え抜き、言語化することができます。このように作った事業計画書が、経営者自身を励まし、援助者を呼び寄せます。

いつの時代も未来は見えません。事業計画書によって、「未来が見える」ようになると、その会社を支援する会社や人、金融機関が現れます。

事業計画書が必要となる場面

事業計画書が必要になるのは、具体的にどんな場面でしょうか。

融資や出資などの資金調達の場面

自分でどんなに良いビジネスプランだと思っていても、口頭だけでは伝わりにくいです。お金を出してもらうには、事業計画書を作って事業の詳細について、情報を共有する必要があります。

お金を出す側に立ってみると、お金を出すということは、「もしかしたら返ってこないかもしれない」というリスクを伴います。

銀行や出資元は、事業計画を吟味して、果たして実現可能なのか、融資や出資に値するものなのかを検討します。設備投資についての融資であれば、その設備投資が真に企業のためになり、投資を回収できるのかを検討します。

特に、金融機関の場合は、融資担当のみで融資が決定されることはまずありません。事業計画書をもとに、稟議書を書き、上層機関の決済を求めます。口頭での説明もほぼ事業計画書に盛り込んであるくらいのレベルで作成できるとベストです。

経営幹部や身近なビジネスパートナー、従業員と会社の方向性を共有する場面

たいていの場合、会社は1人で運営できません。必ず協力者が必要になるものです。

自社を支えてくれている幹部やビジネスパートナーだけでなく、従業員も立派な協力者です。

自社は何を目指して、何をするのか。見る方向性を同じくし、それぞれの役割を明らかにしなければ、力を一つにすることは難しいでしょう。

経営者の中には、「事業計画は頭に入っているから、作る必要はない」とおっしゃる方もいますが、事業計画書という形に外に出すことで、経営者の考えを共有でき、協力者は自分の役割を考えることができ、結果として効率が上がります。

このように、事業計画書は一種のコミュニケーションツールとも言えます。事業計画書を作る過程で、経営者は、顧客や社員とコミュニケーションをとることになります。

1人で作るよりも、協力者を巻き込んで作った方が、独りよがりになることを防げますし、協力も得やすくなります。そんな経営ができるほうがワクワクしませんか?

自分自身の目的や目標を確認するためにいつも持っておく

事業計画書は、自社の方向性を表すもの。経営者は毎日やることが多いため、目の前のことをひとつひとつ判断をしていかなければなりません。判断に迷うこともあるでしょう。そんなときに、判断の指針になるのが、会社の方向性、すなわち事業計画書です。

事業計画書は作ったら作りっぱなしにするのではなく、いつでも確認ができるように、手元にいつも持っておくとよいでしょう。

また、時の流れとともに、自分が認識していた感覚と、マーケットの実態にズレが生じたと感じることもあります。事業計画書を作っておくと、そのギャップが何かを明らかにすることができ、どう軌道修正したらよいのかもわかるようになります。

事業計画はその通りに進むことも大切ですが、当初の考えとのギャップに気づき、環境に合わせて変化させていくためにも役立ちます。

事業計画はいわば、経営者にとっては羅針盤のようなものなのです。

ここからダウンロードできる!おすすめテンプレート

融資や出資を受けることだけが目的ではなく、経営に役立つ事業計画書をつくるには、という観点で選んだ事業計画書テンプレートをダウンロードできるサイトや書籍をご紹介します。

経営計画つくるくん

中小企業基盤整備機構がリリースした経営計画策定ツールです。

アプリをダウンロードし、経営計画を作ることができます。完全に無料で使えるアプリです。

質問に答えていくと、事業計画書の中身が埋まっていきますので、初心者でもつくりやすいものになっています。初心者でも作れますが、内容は事業のコンセプトや市場分析、自社分析、商品・サービス分析、事業戦略、行動計画まで、漏れのない事業計画が作られることが特徴です。

エクセルファイルへ出力することもできるので、パソコンでの仕上げができますし、融資を申し込む際の事業計画書のベースにすることも可能です。助成金や補助金の申請書に書く経営計画の下地にしてもよいでしょう。

また、経営計画を作成する上で必要な基礎知識を、クイズ形式で楽しみながら学習する機能もあります。

大阪産業創造館 経営お道具箱

長年に渡って大阪の中小企業の起業家・事業家を支援している大阪産業創造館のサイトにある「経営お道具箱」ページ。このなかの「ビジネスプランフォーマット」の中に、事業計画書に必要なテンプレートが一通りそろっています。

事業の概要を客観的な視点でまとめる「ビジネスプランサマリー」書式は、事業計画をまとめる前に必ず作成しておきたいものです。

書籍「事業計画書」のつくり方

税理士の原直美さんによる著書です。

この書籍を買うと、事業計画書フォーマットがダウンロードできるようになっています。この書籍の流れに従って51の質問に答えるだけで、一通りの事業計画ができます。

自社の強みの分析のみならず、マーケットに対する分析についてもしっかり盛り込まれています。バランスよく質問が用意されており、資金の裏付けについても資金繰り表で明確にできるため、説得力ある計画書を作成できると思います。

京都信用金庫 ここからはじまる

創業融資を受ける場合は、どの金融機関から受けるかに関わらず、京都信用金庫の「ここからはじまる」という融資制度紹介ページにある事業計画書フォーマットがおすすめです。

なぜ、この事業をやるのか、マーケット分析はできているのかなど、あらかじめ整理しておかなければならないことが質問形式でまとまっています。

金融機関がつくるフォーマットなので、すなわち融資を受けるときに金融機関が知りたいことがまとまっています。

日本政策金融公庫 国民生活事業 借入申込書等ダウンロードページ

融資を受けるための事業計画書や創業計画書をダウンロードできるページです。記入例が揃っているので、書き方を参考にしながら記載をすることができます。

とてもコンパクトにまとまる事業計画書ですが、実際に経営に必要な事業計画書としてつくるには、やや不十分だと感じています。

上記でご紹介した経営計画つくるくんなどで作成した事業計画書をもとに、こちらに転記していく要領が望ましいと思います。

まとめ

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事業計画書は決して融資や出資を受けるためだけに作成してほしくない、というのが私の想いです。

アフリカにあるザンビアという国に伝わる格言で、「早く行きたいなら1人で行け、遠くへ行きたいならみんなで行け」という言葉があります。

経営をしているということは、事業を通して、人を幸せにしていることです。より多くの人をより幸せにするためには、遠くへ行かねばなりません。

経営幹部やビジネスパートナー、従業員、出資者や債権者、多くの協力を得て遠くに行くために最適な羅針盤であり、地図となるもの、それが事業計画書です。

難しいなと感じたら、事業計画書作成のノウハウを持った税理士や中小企業診断士、コンサルタントに相談し、積極的に活用してください。客観的なアドバイスを得られると思います。

ぜひ、協力者の皆さんから「事業のこれからが楽しみです」そう言われる事業計画書を作ってくださいね。ご参考になれば嬉しいです。

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著者プロフィール

神佐 真由美

神佐 真由美

京都大学経済学部在学中から「プロフェッショナルになるために手に職を」と税理士を志す。卒業後は、税理士を顧客とする株式会社TKCに入社し、税理士事務所を顧客にシステムコンサルティング営業に4年間従事。本当に中小企業経営者にとって、役に立てるプロフェッショナルはどうあるべきかを問い続け、研究する。税理士試験5科目合格後、税理士業界へ転身。
自ら道を切り拓く経営者に尊敬の念を抱き、経営者にとって「一番身近なパートナー」になるべく、起業支援や資金調達支援、経営改善や組織再編、最近では事業承継支援など多くの経験を積む。経営計画を一緒につくり、業績管理のしくみづくりを通して、未来を見通せ、自ら課題を見つけ、安心して挑戦できる経営環境づくりが得意。大阪産業創造館のあきない・経営サポーターも務め、セミナー実績も多数。「経営者のための資金繰り基礎講座」「本当に自社にとって必要?事業承継税制セミナー」など。

<関連サイト>
角谷会計事務所
未来を魅せる税理士 神佐真由美のブログ